2021年5月15日発行 第227号

消費のマグマ

 岐阜県のコロナ感染者数は過去最大レベルが続き、古田知事は政府に緊急事態宣言の追加指定を要請している状況となっています。私のところにも、いくつかの行事の中止や延期の通知が届き、所属するロータリークラブの行事も5月中はすべて中止になりました。
 オンラインでの会議、研修、飲み会には慣れてきて、それはそれで満足していますが、やはり好きな人とはリアルで会いたいという気持ちが高まっています。また、飛行機や新幹線で遠くに行きたい、リフレッシュしたいという欲望のマグマもかなりの水準に来ているようです。
 その対応策としては、近隣への気分転換のドライブ程度で、長野県の阿智村(昼神温泉、月川温泉)の花桃の里には2回出かけました。その美しさは、まさに桃源郷に入った感覚で、あまりの感動で2回となったわけです。
 もうひとつの対応策は、自宅から車で5分のところにある、土岐プレミアム・アウトレットです。ここは、雄大なロッキー山脈に抱かれたアメリカのコロラドをイメージして作られており、異空間を感じることができます。時々、人がまばらになった夕刻に、愛犬(4才のヨーキー)とともに1時間ほど散歩をしています。帰りの車に乗り込むと、何故か「行楽地に行ってきた!」という感覚が湧いてきて、実に手軽で有難いレジャースポットであるわけです。
 しかし、申し訳ないことに、ここでお金を使うことはほとんどありません。コロナ禍の生活状況では、衣類、服飾品などへの消費意欲が低下してしまっているからです。三密を避けるアウトドア関連、ゴルフ関連、バイク関連は売れているようですが。
 統計によれば、可処分所得から消費支出を引いた日本の超過貯蓄の額は、給付金などもあり、昨年末で前年比29兆円近く増えています。この増加額は1995年以降では最高となっています。コロナが収束に向かうにつれて、消費のマグマと超過貯蓄はどこで、どのように爆発するのでしょうか? 企業家の皆さんには、消費爆発に向けて、ワクワクするような戦略を練っていただきたいと思います。

CPS総合法務事務所
所長 加藤健治

労働契約時の労働条件明示義務
~違反による損害賠償・トラブル事例1

 今回は,雇用をする際の注意点についてお話します。会社の経営者は,事業を拡大,円滑にしていくために,従業員を雇用することになります。この雇用の際,あまり意識されていないかもしれないですが,「労働契約」という契約を結んでいることになります。
しかし,私自身もそうなのですが…
 日本人の傾向として,「労働契約」で細かいことを規定しなくても「常識的」に分かるだろう,と期待してしまうところがあると感じます。また,あまりしっかりと告げると,角が立ってしまうから,曖昧にしておきたいな…という気持ちになることあるのではないかと思います。
 それが原因で,従業員からは「そんなことは当初説明されていない」と言われる一方,経営者としては,「言われなくても当然分かるはずだ!」とトラブルになってしまうことも。
 例えば,求人広告を見て,記載の労働条件と信じて働いたのだから,差額分の給与を支払って欲しい,損害賠償請求をして欲しい,などと従業員から使用者が裁判所に訴えられ,慰謝料を支払わなければならなくなってしまうケースもあります。
 このようなトラブルで重要な会社の業務に支障が生じてしまうのは本当に避けたいところではないでしょうか?その意味で,雇う当初にこそ,しっかりと意識して契約をすること,求人広告や職業安定所への求人票の書き方などにも注意が重要です。
 しかし…なぜ,そもそもこのようなことが問題になってきたのでしょうか?
 従来は,学校や大学卒業後に就職して,長期間雇用されることが通常でしたが,現在では,使用者側は,即戦力としての中途採用やヘッドハンティングが行われ,従業員側としてもリストラによる転職やキャリアアップのために転職をする機会が増えている,という時代背景に実は関係ありそうです。詳しくはまた次回お話したいと思います!

岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子

方丈記2

 鴨長明さんは自身の人生について思い通りにならないことから、世俗を捨て閑居生活に入ります。そうですねぇ、今で言う出世に敗れてニートになるような感じですかね。(長明ファンの方ごめんなさい)そこで庵にこもって随筆に励む訳ですが、地位や名誉、名声等、あらゆる欲を捨てて、そのような俗世界の執着を断つことで、心の解放(自由)を求めるよう努めたのではないでしょうか。
 方丈記の中で言う無常とは、「全てのものはいずれ消滅する」のような感じでしょうか、河の流れに浮かぶ水の泡が、生まれたり消えたりする様を、世の中で起きる良い事や、悪い事象に例えて、この世の儚さを表現されました。
 今まさに私たちの生活は、コロナウイルスと言う流行り病に侵されています。私はこのゴールデンウイークを自宅で自粛していましたが、普段見ることのないテレビのワイドショーを見てびっくりしました。政府の政策や対策について、野党を中心にマスコミの皆様は与党をぼろくそに叩いています。あれが本当に世論の声でしょうか。少なくとも私の周りの意見や見解とはおおよそ真逆です。今の若い方がテレビ離れをするのも納得です。どうか反体制の皆様、こんな時だからこそのんびり方丈記でも読んで、右翼も左翼も、間を取って中翼(仲良く)しましょう。

土地家屋調査士 奥村忠士

人様の時間に対するリスペクトを

 私は、小学生のお母さん(家庭内に大人は私ひとり)です。私が出て行くのは、たくさんの計算と努力と精神力のうえに成り立つことです(これが仕事だけならたくさんの計算と努力だけで済むのですが)。最近では、新型コロナウイルス感染症の影響でWEB会議という選択肢ができたため多少は楽になったものの、在宅であっても夜の会議が始まるまでの時間は1分1分が勝負です。いろんな思いをしてなんとかかんとか会議開始時間を迎えるわけです。
 忙しい人こそ、時間の重みを知っています。共有する時間の前にどんな調整をして相手がその場に存在してくれているのか、想像力を働かせることができます。そのため、説明もなく簡単に共有する時間の開始時刻を遅らせることはしません。仮に遅らせるにしても、理由と共に開始時刻を明確に示して、開始までの時間を「相手の時間」にします。また、共有する時間が意義のあるものになるよう、自分の時間を使って準備をしてきます。自分の時間を使って準備をしてきているのが伝わるから、周りの人にも時間を使ってもらえます。
 「人に動いてもらえる人」と「人に動いてもらえない人」がいますが、それは、「人様の時間に対してリスペクトがある人」と「ない人」の差だと思います。忙しそうにしていても自分の時間だけに重みを感じて、人様の時間に対してリスペクトがない人は、「なぜこの人のために時間を使わなくてはならないのだろう」という思いを相手に抱かせてしまうため、人に動いてもらえませんね。人様の時間にリスペクトがある人は、そもそもスピードや精度が高く、さらに周りの人にも動いてもらえるので広がりもあります。「一緒に何かをするのなら、人様の時間に対してリスペクトがある人と」が私の持論です。

エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子