2021年7月15日発行 第229号

多治見の教育者

 事務所で仕事をしていたら、突然ダンボール箱を抱えた男性が入ってきました。誰だろうと、顔を見ると村瀬登志夫さんでした。村瀬さんは、この5月に自費出版された「生き方サプリメント101錠 第1集〜第4集合冊版」を100冊持参され、「多治見商工会議所やロータリークラブなどの人に読んでもらってください。」と言われました。
 村瀬さんは、岐阜県内の小・中学校教諭、中学校校長の後、多治見市教育委員会教育長、更には多治見市文化振興事業団理事長、陶技学園理事長をされていた、私の尊敬する素晴らしい教育者です。
 この本を皆さんに配布する前に、まずは自分が内容を把握しておこうとページをめくると、おもしろくて止めることができず、一気に読み終えました。その内容は、村瀬さんが自らの体験から学び取られた「幸せに生きる法則」なるものが、生き方サプリメントとして多数紹介されていました。
 村瀬さんは、若い頃からずっとより良き人生を求めて、「幸せに生きる法則」を探究し続けてこられたようです。そして、この本からは、自分が発見した「幸せに生きる法則」をひとりでも多くの人に気付いてもらいたい、その法則を実践して幸せな人生を築いてもらいたいという、教育者としての愛や熱意が伝わってきました。また、飾ることなく、正直で、多治見の言葉で語りかけてくる文章に、なんとも言えない温かい気持ちにさせられたのでした。
 この本からは、「幸せに生きる法則」を学ぶことができますが、同時に村瀬さんの人生を垣間見ることができて、その人間的魅力を強烈に感じることになります。教育者と言えば、「修身教授録」の森信三先生を思い浮かべますが、多治見にも立派な教育者が存在することをありがたく、そして誇りに思いました。
 村瀬さんは、この本を1万冊印刷して、無償で配布されています。私は、村瀬さんの秘められた気持ちを、より多くの人に伝えるお手伝いをさせていただきたくて、この本の紹介と配布を続けています。
CPS総合法務事務所
所長 加藤健治

労働契約時の労働条件明示義務
~違反による損害賠償・トラブル事例3

 今回も,引続き,雇用をする際の注意点についてお話します。労働契約成立過程において,使用者側は,どの程度の労働条件に関する正確な説明ないし情報を与える必要があるのでしょうか?また,求人をする際の求人広告や求人票には,どのようなことを注意するとトラブルを回避できるのでしょうか。
 労働基準法15条1項は,使用者が労働者に対し,労働条件を明示する義務があると定めています。また,職業安定法5条の3は,公共職業安定所,職業紹介事業者等が求職者に対し,従事すべき業務の内容及び労働条件を明示する義務を定めています。これらは,職業安定所などが,求職者に対して,真実の労働条件の認識させたうえ,他の求人との比較検討する機会を与え,虚偽の労働条件を信頼したために,予期に反した悪条件で労働を強いられる弊害を防止することにあるなどと言われており,労働条件の明示は必須です。
 しかし,労働関係が流動化して多様化した現在,例えば,中途採用者について,新卒採用者と比較してどのような条件とするかなど,「求人」や「面接」の段階では説明しきれない部分もあります。そのような場合には,個別に,どのような「申込み」があって「承諾」があったか,どのような条件で意思の合致があったか,労働条件についての契約内容を確定させていくことになります。
 ここで,使用者側の「申込み」に当たるかについて,よく問題となるのは「求人広告」です。一般に,求人票や求人広告は,個別の労働者との接触前のものなので,「申込み」には当たらないとされますが,申込みを誘ったものとして,その後,その内容を労働契約時に明確に否定しない限り,契約の内容となると判断されることが多いので,「求人票」「求人広告」の記載には注意しましょう。また次回引き続き,お話したいと思います!
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子

幸せの種類

 50歳を過ぎて、同窓会や同期会、または仕事仲間と一杯やっていますと、若い時とは随分会話の内容が変わってきたと感じます。昔は「将来の夢や希望」あらゆる可能性を語りながら美味しいお酒を酌み交わしましたが、最近はもっぱら「健康」がテーマです。特に今はコロナ禍と言うこともあり、今回は健康と幸せについて話したいと思います。
 精神科医でベストセラー作家でもある樺沢紫苑先生の著書によりますと、脳内から分泌される幸せと感じる物質は、大きく分けて三種類あるそうです。
 一つは、心と体の心地よさを感じることで分泌されるセロトニン的な幸せです。これはある意味で病気にならないと、健康の有難さが分からないように、朝起きて「今日もいい天気だ、気持ちがいい」のような状態です、健康だからこそ感じることができるのですね。次に、愛するとか友情とか、人や環境とのつながりから感じることで分泌されるオキシトシン的な幸せホルモンです。これは人間関係が上手くいっているか、孤独ではないかなどのような状態です。三つ目が、お金、目標達成、地位名誉などの成功を手にした時に分泌されるドーパミン的な幸福感だそうです。
 私は今まで三つ目のドーパミンばかり分泌したくて欲に振り回されていました。これからは、第一に健康(セロトニン)、第二につながり(オキシトシン)、第三に目指せ!無借金経営・励め!借金返済(ドーパミン)で行きたいと思います。 
土地家屋調査士 奥村忠士

選曲と精神状態

 「こんなときに聴くのはこの曲」というものをもっている人も多いのではないでしょうか。私は、「今はこういう気分だからこの曲を聴こう」というより、逆に「あ、こんな曲を聴いているということは、私は今、こんな気分なのだな」と自分の心理状態に気づくことが多いように感じます。
 こちらでも何度か書いていますが、私は早稲田大学応援部の出身です。
早稲田大学には、早慶戦(野球に限らず各種スポーツ)で負けたときに歌われる「えんじの唄」という曲があります(歌詞は「男は心で涙を流して」で始まります)。運転しながらこの曲を聴き始めてしまったとき(さらには「男は心で涙を流して」などと口ずさみ始めてしまったとき)は、だいたい何かしらのトラブルや心配事を抱えている時で、「あ、いかんいかん。私は今すでに負けの気持ちになっているわ」と気づきます。自分では気づかなくても負けの気持ちに陥ったままでは、その状況は好転させられません。そんなときは、気が済むまで聴いて車の中で「負け」を済ませます。
 また、車内で、東京六大学応援団のパフォーマンスを流してしまったときには、「あ、私は今少し不安を覚えているのだな」と気づきます。そして聴き続けていると、目的地に到着するまでには、テンションが高まり、いい意味での緊張感ができあがっています。
 無意識に行った選曲で自分の精神的コンディションに気づき、自分の精神状態を整えることができるのです。
 ちなみに、リストの「ラ・カンパネラ」(ピアノ演奏)を事務所で流し始めたときは、集中して仕事がしたいのになんとなくフワフワしているときです。これを聴いた後は、あまりの技巧のすばらしさに、「よし、プロの仕事をしよう」と思えます。
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
岐阜県多治見市大日町86番地
CPS総合法務事務所
株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
TEL 0572-25-4102