2022年1月15日発行 第234号

小津映画

 日曜日の朝、友人である在日中国人のYさんが拙宅を訪ねてきて、朝食を食べながら帰化の相談を受けました。Yさんは留学生として20年前に来日し、大学卒業後は日本で就職、8年前に起業して経営者として活躍しています。Yさんは妻、息子の3人家族で全員中国国籍ですが、すでに日本の永住許可は取っています。
 Yさんは、 「先生、 私と息子は帰化して日本国籍を取ることを希望していますが、妻が反対して困っています。」と話し、これについては、中国人夫婦で片方だけが帰化することも可能であることと、その利点を説明しました。
 さらにYさんは、「もうひとつ気がかりなことがあります。私は今後も日本に住み続けるつもりなので帰化を考えていますが、中国人の友人の多くが、没落しつつある日本の国籍など取らないほうがいいと言っているのです。」と、私の顔を見つめました。
 その日の午後は、 小津安二郎監督の映画「秋日和」と「秋刀魚の味」を見ました。1960年と1962年に公開された作品で、私の生まれた頃の日本社会や日本人に触れることができ、強烈に引き込まれていきました。登場人物のほとんどが善良で品格のある日本人で、とても爽やかな気分にさせられました。
 この映画に登場してくるような戦前の教育を受けた先人(私の祖父母、両親の世代)は、戦後復興のため日本経済を必死に発展させ、世界第二の経済大国を作り上げてくれました。しかし、この30年あまり、日本経済は衰退、そして没落しつつあると言われるようになりました。ちょうど、戦前の教育を受けた先人が定年となって社会的影響力を弱めていく頃から、日本経済の衰退は始まったような気がしています。
 それ故に、輝く日本を取り戻すために、戦後の焼野原から世界第二の経済大国を作り上げた先人たちの実像をもっと知りたいと考えていました。小津映画はこの要求を満たしてくれるものでした。小津監督は昭和初期から昭和37年までに54本もの映画を世に出し、特に「東京物語」は海外でも高く評価されています。小津映画を通して、戦前の教育を受けた日本人にもっと触れてみたいと思っています。
CPS総合法務事務所
所長 加藤健治

成果を上げるための「運」の高め方4

 新年になりました!本年も引き続き,よろしくお願いいたします♪
今回も,元日本ハムファイターズの監督で,最弱球団から日本一の球団へと返り咲いた際のコーチをしていた白井一幸さんの講演で教えて戴いた「運の高め方」について。私も好きな大谷翔平選手のお話をされ,こういうことをしているから,この選手は「運を引き寄せる」と思ったとのこと。この「運」を高める人の行動,考え方について,私が大事だと感じた3つのポイントを順番にお伝えしています。
 その3つ目は「全力疾走」。運を引き寄せる練習・・それは,30メートルを全力疾走すること。なぜか?速く走ることは全員には出来なくとも,全力で走ることは「意識すれば」出来る。でも,全力は疲れるのでつい怠けてしまう。 毎日全力で走るA選手と, 途中で怠けるB選手。 当然時間が経過すれば,実力も変わってくる。また,同じ失敗をしても,評価も違う。失敗したのがAなら,「真面目に練習しているお前の失敗なら仕方ない。僕が取り返してやる」でも,Bだとしたら,「失敗すると思った。お前は練習が不真面目だから」A選手が持っているのは,日頃の行いからくる「仲間の信頼」,ピンチの時に手を差し伸べてくれる「存在」。これこそが運。
 確かに,自分が学んですごく良かったことを伝えたい!と,その思いだけで,全力で伝えていると,なぜか段々と応援してくれる。そういう奇特な人が現れる,という経験が私も何度もあります。
 私も全力で頑張っている,という人は分かるつもりだし,そういう人を応援したい!と思います。日ごろから頑張りすぎちゃう方はもちろん力を抜く場面も必要だと思いますが…ここぞ,という場面では,力を抜かず,全力を出し切ってみる,というのは大事だな,と思いました。こう考えると「運」って嘘っぽい~と思われる方も,少し合理的に「運」を引き寄せる法則があるかも!?と思えるかなと思いました。私も,ここぞ,という時は,全力を尽くしたい,と思います♡
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子

地籍調査の進捗状況2022

 毎年のことですが、1月は地籍調査の進捗状況を報告させていただきます。
 先ず、全国土面積377,974km2(国有林・公有水面は除く)中、地籍調査完了は前年と変わらず52%と横ばいでした。岐阜県全体でも前年と変わらずの18%、東濃地方では、多治見市が17%と変わらず、土岐市も変わらず18%、瑞浪市も33%と変わらず、中津川市も46%と変わらず、唯一恵那市が47%と1%アップに留まりました。
 やはりコロナ禍の影響をまともに受けて、すべての地域で事業自体がストップしているようです。年末から新たな新型コロナウイルスのオミクロン株が流行りだしていますので、恐らく今年の地籍調査事業は絶望的だと思います。仮に過去のスペイン風邪のようにおおよそ4年くらいで終息を迎えたとしても、 今後の財政難により地籍調査事業のような緊急を要しない事業には、 予算が回らないと思いますので、自己所有の土地で地籍調査事業を楽しみに待って見える方は、あまり期待しない方がよさそうですね。
 それでは、今年も張り切って参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
土地家屋調査士 奥村忠士

友だちのありがたさ

 昨年、家族に大きな病気が発覚し、年末と年始に手術がありました。医師からはたくさんのリスクを説明されていたのですが、ありがたいことにそのほとんどが現実のものとはならず、意外と( もちろんこれから困難はあるかと思いますが)元気に退院してきてくれることが決まったので、ようやく人に言えるようになりました。
 家族にとって大変なのは、実際に入院や手術をするとき(コロナウイルスの関係で入院病棟に立ち入りできず、家族がすることはほとんどありませんでした)や、医師の話を聞くために病院に行くときよりも、本人の気持ちが落ちているときでした。そういったときは、本人はどんどん自分の殻に閉じこもってしまうので楽しい気持ちにしてあげることもできず、変わってあげられるわけでもない本人の不安を無神経に踏みにじることもできず、こちらも手をこまねいていました。
 そこで、救われたのが『友だちの存在』です。本人がクラス会のお知らせを受け取ったタイミングが病気の発覚と同じ時期だったので、もちろんそんな気分になれず「欠席」で返事を出していたのを、お友だちが数人、クラス会(知多半島で1泊2日だったそうです)の後、「会いたいから顔を見に行くわ」と、わざわざ多治見まで会いに来てくれました。そこで、お友だちとたくさんおしゃべりしたり、笑ったり・・・良い時を過ごして、自分の殻から出てきてくれました。もちろん手術が終わるまで、何が起こるかわからないので状況は何も変わりません。それでも、お友だちと楽しい時間を過ごしたことで、手術までの日々を元気に過ごすようにシフトチェンジできたので、本当にそのお友だちの存在と、「欠席」と返事したことを気にしてわざわざ多治見まで会いに来てくれたこと、良い時間を過ごさせてもらったことがありがたかったです。人の温かさが身にしみる冬でした。
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
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CPS総合法務事務所
株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
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