2022年7月15日発行 第240号

私の履歴書

 小学校から大学まで、学校の授業でおもしろかったことは何ですか?私はどんな科目であれ、教科書の解説より先生自身の体験談のほうが圧倒的におもしろく、その後の人生に影響を受けています。数学の公式よりも、先生の体験からもたらされる人間的魅力や人生の法則のほうに価値を感じていたということです。
 しかし、 自身の体験を語ってくれる教師は決して多くはないというのが実情です。大部分の教師は大学卒業後にすぐに教師となり、一般社会の体験が多くはないからです。だから、私は自分が教師になったら、体験に基づく人生の法則を語りたいと思っていました。
 そんなわけで、司法書士業務と並行して「株式会社CPS総研」にて、予備校講師、大学講師、社員研修講師などを続けてきました。社会人向けの「多治見元気大学」も同じ気持ちでやっています。
 今月は、ある上場企業の幹部研修で講演をさせていただきました。海外への同時配信もあって緊張もありましたが、「私の履歴書」という図々しいテーマでやってみました。「私の履歴書」といえば、日本経済新聞の人気の連載もので、ビジネスマンとの会話ではよく出てきます。著名人でもない私ですが、還暦も過ぎましたので、体験に基づく人生の法則を語りたいとの思いで、このテーマで挑戦してみました。
 以前は、居酒屋という教室がありました。先輩から、酒を飲みながら、先輩の体験に基づく人生の法則の説教を受けたことを覚えています。同じ話を繰り返し聞かされて辟易したこともありましたが、学ぶところもたくさんありました。しかし、パワハラ、セクハラが怖くてこの教室はなくなりつつあるようです。
 体験に基づく人生の法則というのは、日本経済新聞の「私の履歴書」がよく読まれているように、多くの人にとって興味のあることだと思います。しかし、「ハングリー」とか「忍耐」とか、そのままでは今の若い世代には受け入れにくいこともあると感じています。
 ですから、時代の変化の中での易不易を見極め、つまり変化する法則と不変の法則を峻別したうえで、体験をもとに寄り添うように語らねばならないようです。
CPS総合法務事務所
所長 加藤健治

クレームに対する適切な対応方法は?(その6)

 引き続き,「クレーム対応の仕方」についてです。今回は,悪質クレーマーの行動によって業務に支障が生じる場合の対処法です。この場合は,法的手続で対処しましょう。どのような方法がよいか,排除できる見込みがどの程度あるのかは,クレーマーのタイプによっても異なりますので,まずは弁護士に相談することが大切です。
 経営者が,法的手続を取らずにクレームを「解決」しようとすると,現場担当者が不当クレームに正しく対応できません。利益供与はダメ,法的手続は取らない,クレームは早く解決しろ,という不可能を要求してしまうことになり,職員が心身に支障を生じることに繋がってしまいます。いざというときに,クレーマーに適切に対応出来るよう,社内に予め, クレーム対応体制を構築しておくことも重要です。
 悪質クレームに的確に適切に対応するためには,まず,方針・目標を明確にする必要があります。方針・目標のポイントは2点あります。方針のポイントは,「経営者が不当な要求には応じないことを明確にしておくこと」です。少し,想像してみて下さい。お客様からクレームがあった場合,現場担当者は,まずどう思うでしょうか。 「お客様は神様である」とさえ言われている日本です。現場担当者は,お客様を怒らせてはいけない,売上げを上げなければならない,業務に支障が出てはいけない,と思っています。単に不当な要求に応じないという方針を立てるのでは,足りません。「悪質クレーマーであってもお客様は大事」という考え方をしないのが正しい,業務を妨害されるおそれがあっても不当な要求には応じないのが正しいことを明確にしましょう。 「悪質クレーム」かどうかの見分け方は,これまで書いたとおりですが,現場担当者の不安は,「本当にこれは悪質クレームなのか?」というところにもあると思います。見分けることに不安を感じたら,上司,弁護士などに気軽に相談できる体制をつくっておくことが必要です。 次回も,引続き,クレーム対応体制構築のポイントをお話ししたいと思います。
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子

Japan Drone 2022展示会

 年に一度のドローン展示会へ千葉の幕張メッセまで行ってきました。昨年のコロナ禍とは会場の雰囲気も違い、200社近くの企業が各ブースで最新技術のドローンを展示していました。各社が競い合いながら安全で安心できるドローンの開発が進んでいることがわかり、ものづくり大国日本の裾野の広さがうかがえました。
 また、航空法の整備も徐々に進んでいます。今年6月に、ほぼ全てのドローン(100g以上)は機体と操縦士の登録が義務化されますので、今後は折り紙で作る紙飛行機以外は飛ばせなくなります。年内にはドローン操縦士は、国家資格に合格しないと飛ばせなくなるでしょう。イメージとしては、自動車免許と同じように運転免許(操縦士資格)とドローンの機体にはナンバープレートのような登録番号が掲載されます。
 近い将来、車が自動運転になると思いますが、その頃には、渋滞を避けるためドローンの自動運転がタクシーの代わりになるのではないでしょうか。道路上で空を見上げるとドローンがスイスイ飛んでいるなんて時代はすぐそこまで来ていると思いました。
土地家屋調査士 奥村忠士

謝るしかない相手に謝らせる人

 先日のKDDIの大規模な通信障害では、一部でauショップの店員さんに詰め寄るユーザーさんがいたことが話題にあがりました。「他にネットにつながる機器を持っておらず状況がわからないので把握したい」「通信できず困っているのでフリーWi-Fiの使い方を知りたい」といった行動でもなく、店員さんを怒鳴りつけていたというものです。
 ユーザーさんにとっての窓口といえばショップなので、ショップに行く行為自体はわからないでもないですが、ショップの定員さんが通信障害を引き起こしたわけでも復旧作業を担うわけでもなければ、auショップ自体もそうではありません。自分が大きな損害を被っていればどこかに怒りをぶつけたくなる気持ちもわかりますが、その場合は人を責めるより損害や困りごとを少しでも解消するのが先でしょう。私の目には、ショップの店員さんに怒鳴りつける行為は、「謝るしかない立場の相手を責め立てて、謝らせるという行為をしているだけ」に映りました。私はつい、「この中にはauユーザーさんですらない方もいらっしゃるのでは」という想像までしてしまいました。
 その数日後には、「銃撃事件後の奈良県警に批判の電話が相次ぎ、電話がつながりにくくなっている時間帯が発生した」という記事を目にしました。警察がどのような仕組みになっているのかよく知りませんが、警察が滞りなく機能する環境になっていないと、守られるべきであった誰かが傷つくことになるかもしれないので警察にパンクしてほしくはないですけれどね。
 このような行為は、この2例だけでなく、私の身近に存在しています。それは、【人を謝らせるという行為に快楽を覚える人】が存在するということでしょう。この現象には最近興味をもっているので、引き続き研究していきたいと思います。
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
岐阜県多治見市大日町86番地
CPS総合法務事務所
株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
TEL 0572-25-4102