2023年5月15日発行 第249号

外国からの珍客

 瀬戸市赤津町のとあるカフェで、3人の外国人と出会いました。イギリス人とオーストラリア人の男性、シンガポール人の女性で、近くの窯元で滞在型陶芸体験をしていました。それも、1か月、2か月という長い滞在で真剣に陶芸を学ぶ若者たちでした。
 瀬戸のはずれで陶芸に没頭していて、 ほとんど観光もしていない様子でしたので、多治見を案内することになりました。多治見駅での待ち合わせにしたところ、赤津から多治見方面へのバスはなく、公共交通機関を使うと1時間半以上かかることがわかりました。
 車なら多治見から20分ですので、気の毒に思って迎えに行きました。多治見では、タイルミュージアム、さかづき美術館、幸兵衛窯、岐阜県現代陶芸美術館、美濃焼ミュージアム、オリベストリートなどを案内しました。陶芸家の卵のような人たちですので、大喜びでした。
 数日後、オーストラリア人でブリスベンから来たアビー君(28)から、メッセンジャーで連絡がありました。ゴールデンウィークに4日間泊めてほしいとのことでした。このあたりは、我々の感覚と異なるのですが、おもしろそうなので承諾しました。
  そんなわけで、荒川豊蔵資料館、土岐市美濃焼伝統産業会館、土岐美濃焼まつり、美濃陶芸作家展、永保寺などを案内しました。彼は日本に来る前から荒川豊蔵の大ファンで、生前の荒川豊蔵の動画を誇らしげに見せてくれました。志野が大好きで、何万円もする志野の花瓶、ぐい呑みなどを案内先で買っていたのには驚かされました。
 外国からの珍客を案内することで、東美濃の焼き物の歴史、伝統、偉大な芸術家の存在を改めて学ぶ機会を得ることができました。また、短期間で点在する焼き物に関する観光スポットをたくさん回った経験は、東美濃ツーリズム推進を強く考えるきっかけを与えてくれました。
 東美濃の素晴らしい観光資源をいかにつなげ、いかに演出するか?歴史、伝統、文化という価値を物だけでなく、体験という形に変換して、高額商品に仕上げるにはどうしたらいいのか?外国からの珍客は有意義な課題を残して、三重県の伊賀に向かいました。

CPS総合法務事務所
所長 加藤健治

著作権侵害すると,どうなる?侵害しないために注意すべきこと
(その2)

 著作権侵害すると,どうなる?侵害しないために注意すべきこと(その2)
今回も,引き続き,私自身も被害を受けた経験もあり,身近にあって知らないうちに侵害してしまいがちな「著作権」について,お伝えします。知らなかった,と言っても,著作権を侵害すれば,訴えられて,損害賠償請求をされることもあるので注意しましょう。
 前回,PDFなどの形式でダウンロードして利用することが当たり前になってきた「デジタルコンテンツ」楽曲,歌,音声,映像のダウンロード,写真データ,電子書籍などは,勝手に購入者が売却(譲渡)することは著作権侵害となり,出来ないことをお伝えしました。 例えば倉木麻衣さんのような(特別な意味はありませんが,私が好きだから挙げました,笑)有名歌手の音楽データを有料購入してダウンロードをしたのち,その音声データを勝手に売ったらいけない,というのは何となく感覚として分かる人も多いと思うのですが・・
 有名人でない方による写真やイラスト,「文字」によるデジタルコンテンツの場合,段々とその認識が薄くなるのを実感します。しかし,有名人かどうかに関わりなく,「著作物」は保護されますので,注意が必要です。
 例えば,今は,ホームページやチラシなどに使うために写真データを有料購入したりすることもあると思いますが, 写真家でない素人の方の作品であったとしても,それを使わなくなったからと言って,勝手に売ってはいけません!
 電子書籍の場合,製作者である著作権者(製作者)から,販売会社が著作権の譲渡を受けていることが一般的ですが,(Amazonの電子書籍をイメージしてもらえたらと思います)電子書籍の購入者が,その電子書籍を勝手に売ってはいけません。kindleの場合,データを譲渡しただけでは読めなくなっていると思いますが・・・
 ダウンロードによる著作物,紙の本のように中古販売できると思っていませんでしたか?
 みなさんの身近には,どんなダウンロード型の著作物がありそうでしょうか?
 また次回,私自身に起こった著作権侵害についてもお伝えします。

岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子

「目は口ほどに物を言う」けど

 土地の境界立ち合いでお互いの意見が相違して対立しているときは、隣接する所有者と私の三者で話し合うことになります。 このときに話している相手の目を見たり、話を聞いている相手方の目を見ながら境界を確認していきますが、私が説明するときは、その人が私の目を見て話を聞いているか、会話の途中で目をそらしたり、目を細めたり等、様々な動きを、目を皿のようにして聞いています。時々自分の土地を大きくしたいため、嘘をついて昔の経緯を説明する人がいますが、そんなときにはやっぱり目が泳いだりします。
 ところが、ここ最近のコロナのおかげで、みんなマスクをしていますので、顔の表情が全くつかめません。やっぱり顔全体を観察しながら目の動きで会話を読み取っていることに気が付きました。
 皆様のお仕事ではどうでしょうか?特に営業関係の業務では同じような支障が出ているのではないでしょうか。また、子供たちの成長の妨げにならなければいいのでしょうが、社会に出ると複雑な人間関係が待っています。幼少の頃から人の感情を読み取る訓練はある程度必要だと思います。コロナは2類から5類に移行されましたが、まだまだマスクは続くと思います。早く昔のようにノーマスクになることを願います

土地家屋調査士 奥村忠士

「多様性」だのなんだのと言われる理由が身をもってわかった話

 頭のいい人たちが集まって決めたはずの様々な施策、「世の中のこと見えているのか?」と突っ込みたくなることありませんか。
 娘がまだ小学生のころの話です。土曜日に学童保育を利用している子ども達はPTAイベントに参加できない制度だったのを、参加できるように変えたことがあります。私がPTA本部役員会議で「学童の子もイベントに参加できるように変えたいです」と言ったときに、「え?学童の子って参加できないの?」と驚かれたのが印象に残っています。本部役員たちには「学童利用の子どもはイベントに参加できなくてもいい」などという考えは微塵もなく、「子ども達のため」と思って時間を費やして活動してくれています。ただ子育てに余裕のあるご家庭(ご両親とは近居、奥様は専業主婦か家業)の方が多いので、そういった子ども達の存在を知らないだけなのです。
 これは一例にすぎません。娘が中学にあがった今も、同じようなことに直面しています。社会はこの積み重ねだと思います。「余裕のある家庭で育って、余裕のある家庭をもった」人たちが集まって決めていることが多いのではないでしょうか。画一的な集団では、たとえそれぞれがどれだけ優秀であっても、「見えない世界」が共通しており思いつく策は似通ってしまいます。しかも同調しあうため、「彼ら以外の人」にとってはおかしな話であっても、自信をもって決定してしまう傾向があります。(『多様性の科学』という本では、CIAがアルカイダの攻撃を予知できなかったのは、CIAの多様性の欠如が原因だと論じています。)
 「なんで忙しいしお金にならないのに様々な役をやっているの?」に対する私の答えがこれです。・・・「この中にひとりぐらい、私みたいな『子どもにごく普通の学校生活を送らせるだけでも必死!』という人がいた方がいいかな。」

エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
岐阜県多治見市大日町86番地
CPS総合法務事務所
株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
TEL 0572-25-4102