2023年7月15日発行 第251号

インバウンドはおもしろい

 日本銀行の金融緩和政策の維持により、1ドル140円前後が継続しています。こんな円安では、海外旅行に出かける気が失せます。反面、日本の物価の安さは外国人を引き付けて、インバウンドはコロナ前の状況に戻りつつあります。多治見でも、外国人旅行者の姿は珍しいものではなくなっています。
 私はインバウンドには強い関心を持っています。その理由は、やはり日本の観光・宿泊産業発展への強い牽引力が期待できることです。 外国人観光客を見つけると、「いらっしゃいませ。お金をたくさん使ってね。」と心の中でお願いしています。
 また、日本の文化、伝統、自然、そして日本人の素晴らしさを体験してもらうことで、日本国と日本人のファンになる外国人が増えることも期待しています。同時に、外国人からの評価や刺激によって、日本人が自分の国家や民族への自信や誇りを高めてくれることを願っています。
 今年の3月からインバウンドの実情を確かめるべく、いくつかの観光地を回りました。 その中で特に外国人が多いと感じたのは、松島、鎌倉、京都、姫路、天橋立、高山でした。中国からの観光客があまり戻っていないせいか、欧米、東南アジアの観光客が存在感を示していました。 東南アジアの国々から来た若いカップルが、日本の観光地ではしゃいでいる姿には隔世の感がありました。
 こうして新分野の研究を進めていくと、新しい人脈もできてきました。 先月には、一般社団法人愛知インバウンド協会に入会しました。拡大するマーケットを狙う日本人および外国人の集まりですから、会場にはエネルギーが満ちているのを感じました。
 メンバーのひとりであるスペイン人のエリサベスさんは、「名古屋はつまらなくはない」を掲げて、名古屋周辺の魅力を英語とスペイン語で動画配信しています。それを見てやってきた外国人をお客さんにして、見事にビジネスを成り立たせているようでした。
 外国人との交流に興味がある人、英語などの外国語にちょっと自信がある人、一歩踏み出して外貨獲得に貢献してみませんか。

CPS総合法務事務所
所長 加藤健治

著作権侵害すると,どうなる?侵害しないために注意すべきこと
(その4)

 今回も引き続き,身近にあって知らないうちに侵害してしまいがちな「著作権」。侵害してしまった場合の損害賠償責任について,お伝えします。
 著作権侵害をしたうえで,利益を得ると,これによって得た利益は,著作権者の損害として推定されますので,その売却金相当額は少なくとも損害として著作権者から請求されます(著作権法114条2項)。さらに,著作権を侵害する販売方法により,著作権者が自分で売ったなら,受け取れるはずの金額(定価の金額)を受け取ることが出来なかったと言い得るので,著作権侵害によって売った販売金額よりも定価による販売金額の方が高い場合には,定価を基にした販売金額が損害金として請求されえます。
 なので,手にしたお金以上の損害賠償金を支払わないといけない場合が一般的になりますから,注意が必要です。私自身も今回とても驚いたのですが・・・
 以前は, 購入者が直接他の消費者の方に「売る」という方法が限られていたため,あまり問題にならなかったと思いますが,「メルカリ」さんの様に便利なサービスができてきたために,このような問題が顕在化したのだと思います。
 普段は事業をしていない方であっても,何かを売る,とするのであれば,「知らなかった」ではすまないので,やはり,ご自身で,事業主と同じように販売にあたって順守すべき法律を守り,思わぬ責任を負わないよう意識することが重要です。
 こっちはあまり考えられないと思いますが・・・
 例えば私が書いた訴状,調停申立書の「書面」を複製して売る,というのももちろん著作権法違反です(笑)無償(タダ)で渡す場合にも,「譲渡権」侵害になりますから,注意しましょう。このように,特に注意をされていなくとも,ダウンロードの方式による著作物の複製,販売は違法になります。 私自身も,誤解されやすいことが分かったダウンロードの方式による著作物について販売する際には,複製,譲渡が著作権侵害になることを改めて伝えていくようにしていますし,これからもできる限り伝えていこうと思います。

岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子

貧乏は状態、貧困は解釈

 先週、地元でタイル製造業を営む幼馴染の友達から、「息子が東京から帰ってくるから一緒に呑んでほしい、ついでに説教してくれ!」と連絡がありました。話を聞くと、息子は芸大の大学院を出て就職したものの、4カ月で会社を辞めてクリエイターとして独立したとのことで、呑み会が始まるや否や「独立なんぞ、100年早い、額に汗してまともな仕事をしろ、俺の会社を継げ~」と大喧嘩が始まり、息子は息子でオヤジの「まともな仕事」の部分にブチ切れて「クリエイターはまとも仕事や~」と泥試合が永遠と続きました。
 僕は2人の間に入って「ま~ま~ま~」としか言えず、終始話を聞いていただけでしたが、結局のところ、オヤジは息子の事が心配で心配で仕方がなく、息子はオヤジに何としても理解してほしい、むしろ喜んでくれると思っていたようでした。
 最後にオヤジが「都会の若者の貧困層の話をニュースで耳にすると心配や、本当に大丈夫か?貧乏はつらいぞ」と言うと、息子が「確かに俺は貧乏や、でも俺は貧困やない、貧困なんてものは解釈や」と言い返し、オヤジは腕を組んで考え込んでいました。
 僕は息子のこの言葉を聞いて、何となく「この子ならやっていける」と感じました。いずにしても、これからの日本を背負ってくれる大切な若者を暖かく見守りたいと思います。

土地家屋調査士 奥村忠士

行事と子どもの成長

 多治見市の花火大会は運営側の私。2019年の通常開催を最後に、コロナ禍の分散開催(屋台なし、打ち上げ場所付近立ち入り禁止)を経て、今年は4年ぶりの通常開催です。
 パンフレットを見つけて、「今年は花火大会あるの?見せて。『もし今年花火大会があったら一緒に行きたいね』って春ぐらいからお友だちと話してたの」と嬉しそうな娘。楽しみにしてくれている姿を見て、私も嬉しく感じました(私に聞いてくれればよかったのにと思いつつ)。
 「今年は副大会長っていう役でね、今日は会議だったの」と言うと、「どんなことを決めたの?」と娘。普段、私がどんな会議に出ようと(まちのイベントごとであっても、自分の生活に関わる教育関係であっても)一切興味を示さない娘に、初めて興味をもたれてビックリ。自分がやっていることが、(こちらからのアピールなく)純粋に子どもの楽しみにつながっていることを初めて感じてなんだか感動しました。
 コロナで夏のイベントごとがない間に、いつの間にかお友だちと花火大会やお祭に行く年頃になっていたことにもビックリ。花火大会がなかったのは長い歴史の中で「たったの3年」だったかもしれないけれど、中学生の感受性、中学生の交友関係や世界観での花火大会は、「そのときにしかできない体験」です。 今年は多治見の子ども達にそういった機会を提供できること(母親としては「提供いただけること」)に、ご尽力いただいている関係各所の皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。
 コロナで学校が休校になっていた期間には協賛企業様宛郵便物の封かん・発送作業に駆り出されていた娘。何かが無事に開催される裏には、数えきれないたくさんの人の覚悟と努力があることも学ばせたいので翌朝の清掃を手伝わせたいところですが、あのダラダラした子、朝早くに起きるかしら。いや、起きた試しがないな。

エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
岐阜県多治見市大日町86番地
CPS総合法務事務所
株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
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