2023年9月15日発行 第252号

今治タオル
 東京に住む甥の結婚式の引き出物で、今治タオルをもらいました。有名ブランドの刺繍の入ったバスタオルには、たいした魅力を感じませんが、今治ブランドには惹かれるものがあって、うれしくてその晩から使い始めました。
 いつの頃からか、今治のタオルは品質が良いという思いが私の脳に焼き付けられていました。この今治ブランドはどのように確立されたのでしょうか?先週、多治見商工会議所の視察研修で、今治タオル工業組合を訪ねる機会があり、これを探ってきました。
 今治タオルの生産量は、中国などの安い輸入品に押され、ピーク時の1/5となっていたため、2006年に同組合は、今治タオルプロジェクト(起死回生のブランド戦略)を開始しました。このプロジェクトは次の基本的な考えにより進められました。
① 産地で危機感を共有し一つにまとまる。
② 今治タオルの本質的な価値を明確にして、厳密に定義する。
③ 今治タオルの価値を世の中に伝える仕組みを構築する。
 今治タオルを水に浮かべてみてください。優れた吸水性を保つため、5秒以内に沈むことを品質基準にしています。そのほか合計12の品質基準に合格したタオルには、総合プロデューサーとして依頼した佐藤可士和さんのデザインによるロゴが付けられ、今治ブランドを名乗ることになります。
 このプロジェクトの最大の困難は、もともと競争相手だった今治のタオルメーカーが危機感を共有して一つにまとまることだったようです。個々のメーカーが小さくなる市場を奪い合うだけだった状況の中から、優れた強いリーダーが現れて、業界全体のブランド化戦略を一緒に行うようになるまでは、大変な苦労があったことでしょう。
 美濃焼もセラミックバレー構想など、美濃焼のブランド化への取り組みがなされています。美濃焼のブランド化については、今治タオルプロジェクトをそのまま真似すればよいと思うことが多々ありました。
今治の強いリーダーは、同組合の十数億円の借金返済のための背水の陣から生まれたようです。美濃焼にも、業界全体の利益を図る強いリーダーの出現が待たれています。
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治
著作権侵害すると,どうなる?
侵害しないために注意すべきこと(その5)
 今回も引き続き,身近にあって知らないうちに侵害してしまいがちな「著作権」について,お伝えします。結局,著作権侵害になるかどうか,どうしたら分かるのでしょうか?
 具体的には法律の条文に照らして判断することになりますが,一般的に注意するとしたら,どんな点を意識すると著作権侵害による損害賠償請求などを避けられるでしょうか?
 大まかな視点としては,著作権者がその行為を嬉しく思うか,嬉しく思わないか,を考えると,損害賠償請求をされてしまうような失敗をする,というようなこと,その判断をあまり間違えることは無いのかな,と思っています。
私自身も,他の方が書いた本の内容をブログでご紹介したり,YouTubeなどでもご紹介したりしていますし,芸能人を始めとして,今は多くの方がこのようなことをしています。
 もちろん,その紹介は「著作権」侵害にならないかどうかを意識しながら,行っていることになると思いますが・・本の内容すべてをそのままコピペするようなブログやYouTubeは,著作権者の本を買ってくれる人を減らしてしまうから,著作権者は喜ばない,つまり,著作権侵害として損害賠償請求をされる可能性があります。一方で,うまく一部を引用して,紹介し,結果として本の購入者が増えるのであれば,著作権者は嬉しいことが多いと思います。この場合,もし,形式的には著作権法上違法となるとしても,著作権者が喜ぶのであれば,訴えられる,ということは無いと思います。
 なので,誰かが作った「著作物」を自分が譲渡していいのか,複製していいのか?と迷ったら,まず,その行為によって,著作権者(≒製作者)がどのように感じるのだろう?ということを意識してもらえるといいかなと思います。
 法律も,元々は誰かの権利を守るために作られているものですから,どんなことをされたら嫌なのかな,困るのかな,と考えていくと,その解釈は弁護士という法律の専門職でなくとも,大まかには予測できる,ということも面白い点だと私は思っているので,引き続き,分かりやすく伝えていきたいな,と思っています!
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会)
少子化
 我が国は、1971年~1974年(49歳~52歳)の第二次ベビーブーム以降、人口減少が進んでいます。このまま進むと2050年には1億人を割ることになるようです。
 世の中、どこも人手不足で特に中小零細企業では深刻な問題です。しかし、悪い事ばかりではありません。機械化やデジタル化により、今まで人の手で何時間もかかっていた作業を一瞬で解決してくれる技術も進化しています。
 我々測量関係の仕事でも、昔は肉体労働の部類に属し、体力に自信のある若者が参入する分野でした。私も母から「お前は頭が悪いから知恵が無い分、体を使って汗を搔きなさい。」と言われて、私もそのとおりだと思い、この道を目指しました。
 ところが、昨今の技術革新により、ドローンやレーザー・GPS等を使った測量、膨大なデータを処理できるコンピュータ等のお陰で、人の手間と時間の使い方が変わってきました。もはや知恵が無いと出来ない職業なのです。
どうでしょう、「日本の将来を担う若者の皆様、私たちと一緒に知恵を絞りませんか」我が社では、只今求人募集をしております。詳しくはハローワークをご覧ください!
 しかし、この連日の暑さ、我が測量スタッフは知恵と共に汗も絞って奮闘しております。
土地家屋調査士 奥村忠士
怒るのは想定外だから
 先日、打ち解けたお酒の場で男性から体を触られました。「おうちに内容証明が届くわよ」と軽く士業ジョークで流した私のことを、「優しい」という人がいましが、優しいから怒らないのではありません。「この人はそういう酔い方をすることがある。酔っても女性の体に触れることはなく、触れるような人がいれば引き離してくれる人もいる。そういった人の隣に移動すればいいだけ。」それだけわかっていた私にとっては、これしきのことは「想定内」だから怒りの感情が発生しなかっただけです。
 「怒る」というのは、「想定外」(そしてそれが自分にとってマイナスになること)だったときに発生します。
 自分が言ったことが聞き入れられないとき、自分が他人に対して一方的に抱く「こうあるべき」とは違う言動をされたとき、自分が特別扱いされないときに怒る人を見かけます。
 一例を挙げると、依頼事項を断った瞬間に電話口で空気がかわり、怒って私のことを悪く言う電話を私以外の人にかける人がいたようです。自分が年上で相手が年下だから、もしくは、自分が男で相手が女だから、「自分に従うもの」と思ってしまったのでしょうか。「これはいいことだから賛同するに決まっている」と盲目的になっていたのかもしれません。もしかすると、本人に自覚はなくとも、これまでの人生で「人は自分の言うことをきくもの」と思うようになってしまったのかもしれません。いずれにせよ、私に話すその場で、説得する材料も依頼する理由も持ち合わせていなかったのが、「依頼を受けるか否かは相手が選択するもの」と思い至らなかったことの裏付けではないでしょうか。
 自分は自分で判断して行動する。当然に、自分以外の人もそれぞれそうである。その「当たり前」を持ち続けることによって、「想定内」が広い人物でありたいものです。とくにビジネス以外の部分では、ついこういったことが出てしまうので気をつけたいものです。
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

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