2023年10月15日発行 第253号

あなたに届ける108話
 学生の頃、卒業論文を書くのに苦労した思い出があります。経済学の論文を書けと言われても、オリジナルな意見を出すことは簡単な話ではなく、納得のいく卒業論文を書くことはできませんでした。
 それ以来、「論文は難しい。」「本を書くことは自分には無理だろう。」と思ってきました。しかし、9年前に「温かく人と経営を見つめる82の視点」(プロセスコンサルティング)を出版する幸運に恵まれました。
 この本は、弊事務所のニュースレターである月刊CPSに掲載してきた文章を、まとめて一冊にしたものでした。体系立った本を書きあげる自信はありませんが、毎月書き溜めてきたものをまとめれば、一冊の本ができるという蜜の味を覚えました。
 それから9年が過ぎ、月刊CPSに掲載してきた文章のストックが100を超えてきました。そして、今月「あなたに届ける108話」(本心庵)として、私の2冊目の本が誕生しました。
 本の出版にはいろいろなルールがあるようで、私は原稿を提出するだけで、全体の構成、書名、目次、それぞれの文章の見出しなどは、すべて発行会社に決めていただきました。本の製作は、原稿を書く以外、プロに委ねることができるということです。
 出版のごあいさつに、東濃信用金庫さんを訪問しました。すると、前理事長の市原好二さんが12年間書き続けられた「理事長メールマガジン」という本を頂戴しました。信用金庫の中で、職員の皆さんに対して発信されたメルマガを本にしたものです。素晴らしい内容のもので、市原さんの12年間の理事長生活を想像させられ、感動しました。 
 皆さんの中でも、ブログ、メルマガ、社内報など、定期的に文章を書いている方はいらっしゃると思います。そうした文章が溜まってきたら、本にすることをお薦めします。自分の本が本屋に並ぶ、アマゾンに登場するというのは、実にうれしいことです。
 本を出してみようと思ったら、ご連絡ください。私は、私の師匠の「本を出すと人生が変わるよ。」の言葉から出版に至りました。この言葉は本当でした。
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治
著作権侵害すると,どうなる?
侵害しないために注意すべきこと(その6)
 今回も引き続き「著作権」について,お伝えします。これまでは,著作権を侵害すれば,訴えられて,損害賠償請求をされることがある,つまり,民事上の責任が生じることをお伝えしてきました。インターネットの普及によって,個人でも,自分の著作物を公表することが簡単に出来るようになっており,とても便利な世の中になっていると思います。
 一方で,インターネットの普及により,著作物の侵害をすること,その損害も,短時間で大きなものとなり,問題化しています。そのため,著作権侵害は,民事的な損害賠償義務を負うだけでなく,刑事処罰の対象,つまり「犯罪行為」とすることで,著作権者を保護しています。実は,私自身がこの著作権侵害という「犯罪行為」による被害を受けました・・その経験も踏まえて,今回からは,著作権侵害をした場合の刑事上の責任について,お伝えします。どのような行為が,著作権侵害として処罰対象となるのか?これを知るにはまず,著作権法で保護されている権利,対象である「著作権・著作物」とは何かを知ることが重要です。「著作権」とは,著作権法により認められた権利で,著作物を独占,排他的に利用して利益を受ける権利です。そして,「著作物」とは,「思想又は感情を創作的に表現したものであつて,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」です(同法2条1号)ちょっと分かりづらいので,子どもにもわかりやすく解説している「みんなのための著作権教室」の定義によると,「自分の考えや気持ちを他人の作品のまねでなく自分で工夫して,言葉や文字,形や色,音楽(作詞・作曲)というかたちで表現したもの」ということになります。私が製作しているPDFなどの形式でダウンロードして利用することが出来るアドバイスブックなどの「デジタルコンテンツ」,YouTube配信している動画(音声,映像),写真データ,電子書籍。ブログやホームページの記事,メルマガで記載している文章など。全てが他人の作品のまねでなく自分で工夫して「言葉」や「音声」「映像」で表現しているので,私自身の「著作物」で,著作者である私の権利の保護対象,ということになります。次回は,どんな行為が犯罪行為となるか,お伝えします♪
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会)
筆界未定地の建物
 筆界未定地とは、地籍調査事業等で境界が確定できなかった土地のことですが、確定できない理由として、①所有者が不明、②お隣同士で境界の主張(位置)が違うため不調に終わってしまった等が主な原因のようです。
 確定できた土地は、法務局に新しい公図として備え付けられるので問題ありませんが、確定できなかった土地は、例えば1番と2番の土地の境界が不調に終わると新たに作製された法務局の公図上には、(1+2)と記載されてしまいます。
そこで問題なのは、今までは昔の公図上に、単独(一筆)で記載されていた土地の図面が、いきなり(1+2)のように境界がわかりません、となる訳です。
今回は、そのような筆界未定地になってしまった土地上に建物が新築できるかというお話です。
 結論から申しますと、実務上は建てられます。建築基準法の確認申請は土地の一部で申請が下りるようで、新築登記申請については、法務局に確認したところ土地家屋調査士が調書に詳しく経緯を記載すれば、受理されるそうです。現金で新築するお金持ちの方は何も問題ありませんが、大半は金融機関から融資を受け、土地・建物に抵当権を設定しますので、今後皆様の中で、筆界未定地の土地上に将来、建物を建てる計画がある方は、事前に銀行さんに相談した方がいいと思います。また、筆界未定地を売却するときも、注意が必要です。
土地家屋調査士 奥村忠士
マイルール・自分のご機嫌の取り方
 『人様に自分の機嫌をとらせないこと』は、社会で生きる大人のマナーだと思います。私の周りは配偶者の精神安定を責務のようにしている素敵な男性が多いのですが、私は自分で自分の精神安定に尽力するしかないので、自分のルールを定めています。
 黙ってさっと動けばいいのに、人のためになることを「やってあげた感」を出したくなったり、「やってもいいけど」的な一言を発して動くようになったらワンナウト。人の話を聞いて(それがプラスの話でも)疲れるようになったらツーアウト。「なんで私ばっかり」、「他の人は楽で自分は損している」と、人と自分を比べ始めたらスリーアウトでチェンジ。
 そうなると、一旦社会というグラウンドから撤退しなくてはなりません。ものすごい勢いで手元を整理し、平日の昼間に温泉に行きます。半日程度のことなので近場ではありますが、目の前のものから離れて「余暇」という時間をもつことが重要なのです。予約ができればアカスリもします。物理的に私の皮膚の表面に溜まったものを取り除くことで、精神的にも私の表面に溜まってしまったものを取り除いたかのような気分になれます(ついでに健康にも美容にもいいらしいです)。またアウトがゼロの状態からのスタートで、笑顔でさっと「私やります」と言える自分に戻っています。
 不機嫌や余裕のなさを周りに出して、周りに機嫌をとってもらう、気を遣ってもらうのは幼児の特権(まあ、世の中にはそういう大人もいますが)。大人として社会に存在し、人様と時間を共有する以上、自分の精神コントロールが必要です。未熟な私は、余裕でいることも寛容でいることも難しいのですが、マイルールの厳守でなんとか大人のマナーを守っています。
 ・・・あれ?この話、守備はどこに行った??
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

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