2024年6月15日発行 第260号

子どもたちに感動体験を
 多治見市の旭ケ丘公民館では、毎月1回子ども食堂が開催されています。日曜日の昼時に200食ほどの食事を、中学生以下の子どもに無償で提供しています。今の日本では、子どもの8人に1人が相対的貧困に直面していると言われています。多治見も例外ではなく、いくつかの子ども食堂が作られ、支援活動が行なわれています。
 旭ケ丘公民館の子ども食堂の運営者は、集まってくる子どもたちに、ただ食事を提供するだけでなく、よい体験をさせることができないかと模索されています。私も現場で子どもたちと話をしてみましたが、もう一歩踏み込めないかと感じています。
 そんな時、ソニーグループの元社長の平井一夫さんが設立した 「一般社団法人プロジェクト希望」 を知るに至りました。平井さんは、巨額の赤字に苦しむソニーを社長として再生した後、ビジネスの世界からは身を引き、子どもたちに感動体験を贈ることを第二の人生のテーマとして選択されました。
 私と同じ1960年生まれの平井さんは、「奨学金などの教育資金を配るよりも、子どもたちが感動するような体験の機会を増やすことが必要だ。」とし、「小学生段階での文化的活動は必ず将来の役に立つ。感動体験の多い子どもは、大人へ成長する過程で、より多くのものを吸収し、それを生きる力に変えることができる。そのための土壌づくりが私たちの役目だ。」と主張され、大変参考になりました。
 具体的な活動としては、
 ①親子・友人との絆を深める感動体験
 ➁自身の興味関心に気付く感動体験
 ➂ 子どもの世界観が変わる感動体験
 という3つの軸に沿った体験を、NPO等と連携して提供されています。詳しくは同法人のサイトをご覧ください。
 日本は少子化が深刻で、数が減っている将来の担い手を大事に育てなければならないのに、子どもの8人に1人が相対的貧困というのは看過できません。しかし、政治や行政に期待していても時間が過ぎるだけです。民間主導で、子ども食堂に感動体験をプラスするような活動をどんどん拡げていくべきだと思います。子どもたちに感動体験を贈り、日本の将来の担い手を応援することは、私たちにも感動体験を与えてくれることでしょう。
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治
著作権侵害されたら,どうしたらいい?
(侵害回復のための方法・その3)
 今回も引続き,自分が著作権侵害をされた場合には,どうしたらいい?特にインターネット上で侵害行為が行われている場合に,侵害をやめさせるために出来ることについてお伝えします。
 インターネットのサイトで著作権侵害をされた場合,直接侵害行為をしているサイト管理者だけでなく,サーバーを利用させることによって侵害行為を可能にしているレンタルサーバー会社にも,侵害行為をしている記事の削除,閲覧不可能とする措置を取るように著作権者は法的に請求することができます。
 私の場合,著作物の全ページをアップロードされるという形での著作権侵害行為をされましたから,その侵害は明らかなため,ガイドラインに従って速やかに削除されると思っていました。そこで,レンタルサーバー会社(仮にG社とします)に対して,当該著作権侵害をしているページについて削除請求をしました。
 ところが…G社は私の有料著作物が違法アップロードされた状態を放置し続け,何ら対応をしなかったのです!(びっくり)
 G社は大手上場企業ですし,著作権侵害行為は明らかでしたから,インターネット削除請求を専門にされている他の弁護士さんが書かれている本によれば,「削除に要する期間は1日から1週間」とされていたので,これを待っていたのですが…全く削除されることはありませんでした。なので,少なくとも私のケースの場合には,この手続きでは速やかに削除されませんでしたから,次の措置を取りました。みなさんも,このフォームで削除請求すれば,削除してもらえる…と安易に考えると失敗しますので,注意しましょう。
 私自身も,著作権侵害に基づく削除請求について弁護士として依頼を打診された際には,速やかに削除されない可能性があることを前提に,自分が依頼を受けた方が良いのか,東京近辺で専門的に行っている弁護士を依頼した方が良いのか,慎重に判断したいと思いました。
 自分のケースで,次に私が行ったことは・・・また次回!
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会)
本当に人手不足かな?
 我々の測量(建設業)界隈でも人手不足が深刻化されています。特に今年に入って新規の測量依頼が中堅のゼネコンさんから連絡が入るようになってきました。調べてみると既存の下請け測量会社が人手不足で現場が回らないので我が社のような零細企業にも声をかけているようです。
 「来るもの拒まず去る者追わず」をモットーに、0.2秒で「はい喜んで!」とお仕事をいただいております。ありがたいことに今までは、価格でボコボコに叩かれていましたが最近は結構ありがたい単価で契約をしてもらえるのでうれしい限りです。
 ところで本当に人手不足なのでしょうか、40歳以上で60万人以上の「ひきこもり」がいると言われ、一説では日本全体で200万人の非労働者が存在しているとも言われています。この方々に労働してもらえば人手は不足しないように思います。
 話は変わって、これは私の肌感覚ですが、建設・土木関係で職人と呼ばれる人が減っているように思います。ここでいう職人とは、いわゆる4K(きつい・汚い・危険・給料が安い)の職業で、人の嫌がる仕事ですが、それでも誰かがやらなければならない尊い仕事を毎日黙々とこなす人のことです。ですから昔は尊敬されていました。ところがホワイトカラーの職業に若者が集中して、いつからか、職人さんに成りたがる若者が減ってしまいました。
 若い方々、少子高齢化を向かえる我が国の未来を、ホワイトカラーの業務はドンドンAIに任せて、尊い4Kの仕事を一緒にやりませんか?ブルーカラーの力で我が国を支えようではありませんか。外国の技能実習生ばかりに頼っている場合ではありません。
土地家屋調査士 奥村忠士
「 論 理 的 」 の 正 体
  私は自分のことを、直観主義であまり論理的に物事を決める方ではないと思っています。「根拠をもとに論理的に判断することが大事だ」という論調が強い世の中。最近、私ですらその「根拠」「論理的」に疑問を呈したくなることが多々あります。
 先日、「一度やると決めたことをやめるかどうか」を決める会議のテーブルに、判断材料として出された数字が「最悪の場合の数字」だけだったということがありました。ちなみに「高確率でそうなるであろう数字」や「その数字がどの程度確からしいか」は、話題にあがりませんでした。
 「数字が大事」という意見に異論はありません。数字をもとに問題がクリアになり考察が始まるのですから。しかし、根拠としてもってきた「数字」が、「そう聞けばそう答えるだろう」というアンケートの作り方で集計しているもの、「その数字の拾い方ならそう読めるだろう」という切り取り方をしているもの(誘導のために故意にやっているパターンだけでなく、既に切り取られたものを疑うことなく採用しているパターンも)、「限定された条件のもとで出る数字」であることが多々あります。数字にくっつけて話したその人の「意見」の部分を根拠として扱っていることすらあります。「この店舗での商品ごと月間販売数を集計しました。商品Aは58個、商品Bは121個、・・・・レジ袋は150枚。最も売れたものはレジ袋でした。これからはレジ袋の販売に注力しましょう」と言っても満足されてしまいそうな会議もあります。  
 「根拠」としてあがっているものがどの程度あてになるものなのか疑問を抱かないまま、そして全体と根拠の関係に注目しないまま、「根拠をもとに論理的に判断した」となるのです。
 こんな会議では、どういった結論になるのか予想しづらく、欠席するのに勇気がいりますね。
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
岐阜県多治見市大日町86番地
CPS総合法務事務所
株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
TEL 0572-25-4102