2023年4月15日発行 第248号

庄内地方の旅

 我が街を流れる土岐川は、伊勢湾に注ぐまで土岐川というわけではありません。子どもの頃から残念に思っていましたが、愛知県に入ると庄内川と呼ばれるようになります。その名の由来は知りませんが、庄内といえば、山形県北部の日本海沿岸に庄内地方と呼ばれているところがあります。江戸時代には庄内藩の領地であったところです。
 庄内地方の中心都市は、鶴岡市と酒田市です。この鶴岡で、「鶴岡まちなかキネマ」なる映画館が先日開業しました。倒産した映画館を、市民のクラウドファンディングで再開させたものです。映画館のない多治見にとって参考になるのではと期待して、片道7時間の鉄道の旅で鶴岡に出向き、見学させていただきました。
 伊能忠敬ほどではありませんが、日本中を隈なく訪ね歩きたいと思っています。その私にとって、庄内地方はどうしても行いきたい未開拓の場所のひとつでした。映画館視察にかこつけて訪れ、歴史ある鶴岡や酒田の街を歩くことができました。
 酒田は最上川の河口に位置しています。江戸時代に最上川流域の年貢米を江戸に運ぶため、西回り航路ができ、その港町として「西の堺、東の酒田」といわれるほど繁栄しました。最上川の舟運と日本海の海運で栄えたわけですが、明治時代の国内鉄道網の発展で衰退することとなりました。中学生の頃の記憶には、テレビで見た酒田大火の惨状があります。その後復興した酒田の商店街ですが、今は歩くほどに寂しい気持ちにさせられました。
 鶴岡は庄内藩酒井氏の城下町として栄えたところです。渡部昇一の出身地ということで楽しみにしていましたが、その資料を見つけることはできませんでした。鶴岡出身者では藤沢周平の評価が高いようで、市立の藤沢周平記念館が作られていました。
 鶴岡歩きのメインテーマは、西郷隆盛の語録である「西郷南洲翁遺訓」の成立にありました。戊辰戦争で薩長の官軍に攻められ、降伏した庄内藩の藩士がなぜ西郷隆盛の遺訓を記録するに至ったのか?このあたりの事情を考えながら、庄内藩の藩校である「致道館」を参観しました。歴史ある街を歩くことは、歴史上の出来事や人物が時を越えて立体的に見えるようになり、実に愉快なことだと思っています。

CPS総合法務事務所
所長 加藤健治

著作権侵害すると,どうなる?侵害しないために注意すべきこと
(その1)

 今回から,私自身も被害を受けた経験もあり,身近にあって知らないうちに侵害してしまいがちな「著作権」について,注意が必要だと感じましたので,お伝えしたいと思います。
 知らなかった,と言っても,著作権を侵害すれば,訴えられて,損害賠償請求をされることもあるPDFなどの形式でダウンロードして利用することが当たり前になってきた「デジタルコンテンツ」楽曲,歌,音声,映像のダウンロード。写真データ。電子書籍。
 従来の,手に取って触れる「物」に関する著作権とは違う意識が必要です。
 これらのデータ,自分が購入したら,勝手に売っていいの?
 「中古の本」「CDやDVD」「写真集」だって,必要なくなったら売れるのだから,メルカリで売っていいのでは?知らないまま著作権侵害してしまった場合,損害賠償請求で支払わないといけない金額はどうなる?3つ,順番にお伝えします。
 今回は1つ目,PDFなどの形式でダウンロードして利用する著作物全体の注意点です。
 結論から言いますと・・・これらは,基本的に不要になったからと言って,勝手に購入者が売却(譲渡)することはできません。著作権法上,著作者(≒製作者)が権利を保持している著作物の「譲渡権」「複製権」を侵害するからです。
 え,でも,中古の本やCD,DVDは自由に販売できるよね?
 なぜ,ダウンロードされる形式の場合はダメなの?(と,お思いでしょうか?)
 それは,これらの中古の本などの再販売が許されているのは,著作権法上の例外規定があるからなのですが,ダウンロード形式の著作物は,これらの例外規定が適用されないからです。もう少し私なりに解釈すると・・「紙媒体の本」「CD」「DVD」であれば,「そのもの」を売却すれば,手元にはその商品(著作物)は無くなりますが,ダウンロード形式の著作物の場合,誰かにそれを売却(譲渡)しても,手元にそのダウンロードデータが残ります。なので,これを許せばドンドン複製可能になり,著作権者の権利の侵害程度が許容範囲を越えるからだと思います。また次回続きをお話ししたいと思います♪

岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子

大谷翔平選手の謝罪

 日本人は「郷に入っては郷に従え」をとても意識する国民性ですから、日本のプロ野球からアメリカのメジャーリーグへ移籍しても、すぐさまメジャーに溶け込んで野球からベースボールへ適応して馴染んでいきます。しかし、大谷翔平選手がメジャーのベースボールに日本式の野球を持ち込もうとしています。
 メジャーのベースボールでは、投手(ピッチャー)が打者(バッター)に死球(デッドボール)を当てた時には絶対に謝りません。何故なら、わざと当てた訳ではないから謝る必要がないという考え方です。これとは真逆で日本の野球では、わざとであろうがなかろうが、先ずは帽子を取ってお辞儀をして謝ります。これは少年野球で徹底的に教わります。ところが、先日のメジャーリーグの試合で大谷翔平投手がマリナーズの打者にデッドボールを当ててしまった際に相手の選手に謝罪をしました。謝ったという事は、非を認めることに繋がりますから、次の回に報復措置が待っています。相手チームのピッチャーは必ず相手のバッターに故意にデッドボールを当てに来ます。(メジャーでは、これをやらないと仲間を裏切ることになるそうです)これがメジャーリーグの暗黙のルールです。しかしそうはなりませんでした。流石に大谷翔平選手くらいの一流になると相手チームやメディアも「翔平は紳士だ!」となる訳ですね。

土地家屋調査士 奥村忠士

あれから10年。ようやく吹っ切れたこと。

 子どもを授かってからの私は専業主婦でした。 家庭が「世界のすべて」。その「世界のすべて」では、私が考えることも発することも「おかしなこと、間違い」とされていたので、私もいつのまにかそれに順応していました。 ちょうど10年前、その生活に終止符をうってシングルマザーになり、どれだけ「人に選ばれ、感謝される」という体験をしても、なかなか抜け出せないことがひとつありました。男性から「お前はおかしい、間違っている」という言動を受けると、頭に酸素がいかなくなって手が震えて何も考えられなくなってしまうのです (あくまで感覚です。そして私はそれをおくびにも出しません)。
 それが昨年のあるとき、いつもだったら手が震えるはずの出来事があったのですが、普通に酸素を吸えて手が震えていない自分がいて驚きました。なぜ克服できたのか。
 私はこれまで、自分に向けられる言葉をいちいち「聴いて」しまっていました。しかし、昨年いろいろな経験の中で発見したのです。私にした発言やご指導(とでもいいましょうか(笑))を、その人は他の人にはしていないことを。私が受けた言葉やご指導を他の人に報告すると驚かれることを。過去に私が言われたことを「こういう意見もあった」と、その発言をした人の前で他者に紹介したときに、私にその発言をした本人が「そんなこと言う人いる?」と驚いており、まったく覚えていないどころかその発言の内容をその人自身が理解できないことを。そこから、「相手が私のことを『言っていい相手(自分より劣っており自分が指導すべき相手)』と認識しており、特段信念も根拠もなく言葉を発しており、その『指導するという行為』自体が彼にとって意味があるだけで、『発言の内容』に正当性がない」という結論にいたったのです。
 どれだけ強気に振舞っていても、嗅覚で「自分の価値や影響力を確認したい人」が寄ってきて無意識にその行動を発揮させてしまうということ、若い女性には多いのではないでしょうか。お悩みでしたら「聴かない」をご自分の選択肢にいれてみてください。

エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
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株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
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