2023年11月15日発行 第254号

旅での出会い
 愛媛県大洲市は「伊予の小京都」と呼ばれる、人口4万人弱の城下町です。所用で滞在していた松山から足を延ばしてみました。松山から伊予大洲までは、海岸線沿いに遠回りし、瀬戸内海の美しい景色を楽しむことができる「JR愛ある伊予灘線」の普通列車を使いました。列車内では、スマホやカメラを持った人たちが、車窓からの瀬戸内海の景色に夢中になっていました。
 その中で、誰よりも熱心にビデオ撮影をしている、一人旅の中年男性が目に留まりました。伊予大洲駅で下車して、駅のトイレに入ると、その男性も入ってきました。「どこからですか?」と尋ねると、中国の北京からの旅行者でした。
 私は、以前北京に長期滞在したことがあるので、北京の事情は頭に入っています。北京のことをいろいろ話していたら、意気投合、大洲の町を一緒に回ることになりました。彼の名は、劉さん。IT企業や旅行会社で働き、昨年退職して「You Tuber」となっている
 59歳のおじさんでした。日本語はあまり話せませんが、スマホから詳細な旅行情報を取って、見事に日本の旅を満喫しているのには驚かされました。
 劉さんは、とにかく日本が好きで、日本に移住することを考えていました。移住を希望する理由としては、次のとおりでした。①日本は近い。(北京から3時間)  ②生活コストが安い。 ③治安が良くて安心。 ④食事が安くて美味しい。 ⑤政治的・社会的に安定している。 ⑥水や空気がいい。 ⑦漢字を使っているので標識や看板をある程度理解できる。 ⑧顔つきが似ているので街に溶け込みやすく、緊張感が少ない。
 ある程度の資産を持つ中国人から見ると、今の日本は移住先として理想に近い場所のようです。そして、中国の都市部のマンションに比べ、日本のマンションは格安ですから、軽い気持ちで日本のマンションを買っているという実情もあるようです。
 その後も劉さんからは、自分の動画をYou Tubeにアップするたびに連絡があり、私も感想を返しています。日本移住に向けて、日本語を必死に学んでいる劉さんが、日本でマンションを買う日は遠くないと感じています
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治
著作権侵害すると,どうなる?
侵害しないために注意すべきこと(その7)
 今回も引き続き「著作権」について,お伝えします。著作権を侵害すると,どのような場合が犯罪行為となり,どのような処罰があり得るのでしょうか?
著作権法の改正により,刑事処罰の法定刑もこれに伴って引き上げられています。
 現在の「著作権・出版権・著作隣接権の侵害」違反による刑事処罰の法定刑は,10年以下の懲役1,000万円以下の罰金(両方科される場合もある)です(著作権法119条1項)
 私自身で言いますと,kindle本として,電子書籍を出版していますので,これをプリントアウトしたり,キャプチャーなどをして,データとして販売すれば,「譲渡権」「複製権」の侵害になり,この刑事処罰の対象になります。アドバイスブック,メルマガ,ホームページ,ブログの無断転載,無断アップロードなども著作権法認められている例外を除いて,この刑事処罰の対象になります。販売して利益を得ている場合だけではなく,無料で提供,掲載した場合であっても,刑事処罰の対象行為になります。ブログやメールマガジン,ホームページの記載を,自分が公表しているホームページにそのまま貼り付けること(表現の内容に一切手を加えないいわゆるデッドコピー)も,もちろんこの刑事処罰の対象行為です。これらは,著作権法上,著作者(≒製作者)が権利を保持している著作物の「譲渡権」「複製権」を侵害するからです。また,著作物をホームページにアップロードする行為は,「公衆送信権」の侵害にもなります。「公衆送信権」とは,インターネットなどによる著作物の送信に関する権利です。ホームページに著作物をのせて,だれかからアクセスがあれば,いつでも送信できる状態にすること自体で権利侵害になります。
 アクセスがあれば実際に著作物の送信を行うことももちろん,この公衆送信権侵害ですが,実際の送信の有無にかかわらず,送信可能になった時点で権利侵害となるので,その点も注意が必要です。言葉,音声,だけでなく,撮影された写真も著作物の対象です。
 写真家の方もこの権利侵害について指摘していますので,注意してもらえたらと思います。
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会)
阪神タイガース、38年ぶり日本一!
 地元の中日ファンの皆様にとっては辛い一年でしたね、ごめんなさい。
 とりあえず阪神ファンの皆様、38年ぶり日本一おめでとうございます。
 今年は選手の活躍もさることながら、何といっても岡田監督の采配が素晴らしかったの一言だと思います。ボール球に手を出さない指導やファーボールで出塁した選手の査定評価を上げてほしい旨を球団側へ掛け合う等、経営者や上司の方々にも大変参考になることが多いと思いました。
 ところで38年前って皆様覚えていますか? 私は当時17歳の高校球児で野球以外の全てを捨てて甲子園を目指しておりました。結果はあと一歩でしたが、甲子園に届きませんでした。夢はプロ野球選手でしたので、目標と夢を同時に失ってしまいました。人生で初めて味わった挫折でした。以降現在に至るまで、夢や希望が見つかっておりません。あの時の絶望の恐ろしさが体に染みついているのでしょうか、またチャレンジして失敗したらどうしようかと思うと、どうしても新たなチャレンジに躊躇してしまいます。とりあえず60歳まで(あと5年)に生涯を賭けた夢を見つけて、もう一度チャレンジしていきたいと思います。
 若い世代の方々へ、人生のハードルは高ければ高いほどいいですよ。何故ならハードルが高いと挫折したときにくぐりやすいからです。
土地家屋調査士 奥村忠士
大河ドラマで涙した話
 今年の大河は「どうする家康」です。先にお伝えしておくと、私は大河を「エンターテインメントとして」観ており、「史実に忠実かどうか」「この先起こるあの史実をどう表現するか」という視点はゼロです。最終回が近づく中で、この1年で私が最も心揺さぶられた回を紹介します。
 それは・・・お市様の次女・阿月が、お市様の夫・浅井長政の裏切りをお市様の兄・織田信長に伝えるために、信長の元まで走って走って走って・・・それを伝えたところで絶命するという回(マラトンの戦いのギリシア軍の伝令のオマージュかな)。
 阿月の子どもの頃の回想で、優勝賞品の干し柿欲しさに浜辺での男の子たちの徒競走(?)に参加した場面が描かれていました。 ①参加する機会を与えられず ②ハンディを背負って(後からスタートした&途中男の子に突き飛ばされた)勝負して ③それでも1位になって ④褒められるどころか「女が走るな」と怒られ ⑤干し柿は取り上げられる。ないシーンかもしれませんが、私はこの点に痛く共感しました。その後、阿月は身柄を売られ、逃げ出し、お市様にひろわれ侍女となります。時は流れ、お市様が当時大変貴重な金平糖を1つだけ家康からもらった際、それを自身の子の世話をしている阿月の口に「いつも頑張ってくれている褒美」として放り込みます(手で渡しても阿月は受け取らなかったでしょうから、不意をついて口に入れてやるお市様の優しさも素敵)。甘い物(干し柿)の付箋も相まって、頑張る機会を与え、頑張りや行動を認めて感謝し、彼女のことを気にかけてくれるお市様に出会えたことを、本当に良かったと思いました。最後には、自分にできる単純な「走る」という行為で、それを(無理だと笑われるくらい)やり続けることで、自分の思いを成し遂げた点に感動を覚えました。
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

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