2025年7月15日発行 第271号

守るべきものは何?
  浜田省吾は、大学生の頃によく聴き、よく歌った歌手のひとりでした。その曲の中には、「独立記念日」というのがありました。心に残る曲で、今でも「守るべきものは何?戦う相手は誰?誰に聞いても答えられない」というフレーズが頭の中を流れています。
 参議院議員選挙の投票日が迫ってきました。各党は様々な主張を展開し、選挙戦は盛り上がっています。主な争点は、物価高対策、経済政策、社会保障、子育て・少子化対策、外国人との共生、選択的夫婦別姓制度となっています。しかし、目先の対応策ばかりが並んでいる気がしています。10年後、30年後の国家像はあいまい、戦術ばかりでゴールやゴールまでの戦略を示してくれる政治家は多くはないですね。
 私が政治家を選ぶ基準としているのは、「守るべきものは何?戦う相手は誰?」を明確に語れるか否かです。今まで、国会議員、首長から市会議員まで、何人かの政治家にこの質問をしてきました。しかし、このような根本的な問いにきちんと答えられる政治家はほとんどいませんでした。
 そこで、流行りのA I に「守るべきもの」について、尋ねてみました。すると、平和と安全、民主主義と自由、豊かな自然と文化、人々の暮らしと福祉、未来への可能性という回答が出てきました。なるほど、便利なA I を使えば、素人でも上手な演説ができることがよくわかりました。
 しかし、こうした「守るべきもの」を列挙することができたとしても、それが本気か嘘かはわかります。本気の政治家は、深い洞察に基づく人間観、国家観、世界観を確立できていて、主張に一貫性があり、心に響いてくるからです。「守るべきものを守りたい」という気迫が伝わって来て、「戦う相手」も見えています。一方、哲学が欠如し、税金の分配をするだけの保身政治家の話は実につまらないのです。
 「日本人として守るべきものは何ですか?戦う相手は誰ですか?」浜田省吾は、いつも私に問いかけてきます。そして、この問いに、本気で答えてくれる政治家に一票を投じたいと思っています。。
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治
写真を利用するときの注意は?(著作権・肖像権4)
 今回も引き続き,「肖像権」について,お伝えしたいと思います。
 誰かの容貌や姿を撮影したり,撮影した写真を利用したりした場合に問題となる肖像権。知らなかったと言っても,肖像権を侵害すれば,訴えられて,損害賠償請求をされることもあります。
 今回は,肖像権侵害について「まとめ編」をお伝えします。
 【 まとめ 肖像権者が嬉しいか,嬉しくないか 】
 ここまで,どんな場合に肖像権侵害となるのか,についてお伝えしてきましたが,すべての権利侵害の判断の基本は,権利を有する方がその行為を嬉しいと感じるか,嬉しくないと感じるか,と考えると判断を間違えにくいと思います。合成写真などは,それが特別に肖像権を有する人の価値を上げるような合成写真でない限り,基本的には嫌だと感じるものでしょうから,肖像権侵害になりやすいでしょう。合成していないそのままの写真であっても,プライベートの写真などを無断で撮影して,インターネット上に公開するなどの行為も通常は嫌ですから,肖像権侵害になりやすいでしょう。芸能人などの有名人に関しては,肖像そのものが大事な商品ですから,これを無断で利用されること自体が通常は嫌でしょう。時々講演会やイベントなどで芸能人の方ご自身が,写真撮影,SNS投稿大丈夫です,と言われることがありますが,このような明確な「承諾」がない限り,肖像権侵害になり得ますから,注意しましょう。このような承諾がある場合であっても,有料での写真販売や,自社製品の販売ページなどに商品の広告として利用するなどは承諾の範囲外になり得ますから,避けるべきでしょう。これは「肖像権侵害になるのか」と迷ったら,まず,その行為によって,肖像権者がどのように感じるのだろう?ということを意識してもらえるといいかなと思います。私の場合も,今回の私の写真はYouTubeで話をしている場面を切り取って他の人の写真と合成したもので,全く私の意図していない形で,その利用者が自分のページに惹きつけるために利用されたことでしたから,とても憤りと精神的苦痛を感じたため,訴えたものになります。法律の専門職でなくとも,大まかには予測できる,ということも面白い点だと私は思っているので,引き続き,分かりやすく伝えていきたいな,と思っています!
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会)
働き方改革
  皆様、「働き方改革」してみえますか?
 1970年頃からヨーロッパの方で徐々に伝わり、今では世界中で推奨されていますが、国家の政策として掲げたのは日本が最初です。第2次安倍内閣の時ですね。
 私は、高校を卒業して18歳で社会へ出ましたが、当時流行ったのが、電通の「鬼十則」です。昭和の企業戦士ですね、仕事に命を懸けろ〜です。今思うとあの頃の上司は怖かったですね、ずーっと怒っていました。毎日「奥村〜今のままではいつかお前は卑屈未練になるぞー」って言われ続けました。で、バブルが弾けました。その後、私が先輩(上司)になる頃には、ゆとり教育が始まり、あの「電通事件」をキッカケに過労死の問題から昭和の価値観が完全に崩れ、新しい多様性の時代へと変革した訳ですね。
 あの頃を振り返って今思うことは、当時はデジタル化が殆どなく、手紙からFAXへ、手書きからカーボンの複写へ(ワープロはまだ先の話)、仕事ができるようになると、ポケットベルが支給されるなどで、月に2日の休みで、残業が平均で160時間くらいでした。(会社で寝泊まりの時間は含みません)。でも考えてみると、今のように携帯電話や、メール、LINE、ネットでググるなんてことはできませんので、随分待ち時間がありました。ということは、労働時間は長いけれど、脳味噌を使っている時間は、実は今の定時で帰る若者の方が、ずっとハードワークなのではないかと感じます。何故なら、1980年代に今のツールがあったら160時間も働く自信が私にはありませんから。
 いずれにしても、今後AIの普及でびっくりする程、時代が変わり、人間がこなす仕事に変化が生まれることは確かです。いつか「労働」って言葉が死語になったりして!
土地家屋調査士 奥村忠士
若い社会人への応援の気持ち
  春から夏にかけての時期は、机上の研修を終えて現場に入った新社会人に出会います。たどたどしく一生懸命な姿は、思わず応援したくなってしまうものです。
 弊所に来てくれていたスタッフも、3月に大学を卒業し4月から新社会人生活を送っています(とはいえ、彼は2年間大学を休学してサッカー選手をしながら働いていた経験があるので「新社会人」という言葉は語弊があるかもしれません)。「何ができるか」は私の教育次第なので完全なる人柄採用の弊所らしく、彼は本当に素敵な人物で私にとってかわいくて仕方のない存在でした。
 一生懸命な若い社会人を見ると、どこかで頑張っているであろう彼のことが思い起こされます。社会に出たばかりのころは、ただそこに存在するだけでいっぱいいっぱいで消耗して、経験豊かな人にとっては些細なことでも大きなダメージを負ってしまうものでしょう。ですから、若い社会人と接するときには、相槌をたくさん打って、とにかく最後まで話を聞いて、質問をするときは「怖い」と思わせないように親密さを携えながら。世の中は善意であふれていて、自分という存在が肯定されていることが伝わるようにと心がけています。
 若い社会人に対して「最近の若い子は」と文句を言っている方が多い中で(とはいえ、そんなことは「徒然草」にも書いてあるので世の常なのだと思いますが)、若い社会人を見かけたときに笑みがこぼれるのは、弊所スタッフであった彼がいい人物だったから。否定的ではなく肯定的に、そして応援したい気持ちで若い社会人を見られる人生を送らせてくれている彼には感謝しています。
 若い社会人と接するときには、「変なオバサン」と思われないよう気をつけつつ、応援の気持ちが伝わるといいなと思います。
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

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