2024年11月15日発行 第264号

御母衣(みぼろ)ダム
 今年の訪日外国人旅行者は、過去最高の3500万人近くになりそうです。その旅行消費額も7兆円にせまる勢いでうれしいことです。多治見駅や多治見の観光スポットであるオリベストリートでも、外国人旅行者は特別な存在ではなくなってきました。
岐阜県内では、高山、白川郷、馬籠などに多くの外国人旅行者が来ています。私は、その実情を知りたくて時々偵察に出かけますが、今月は白川郷の様子を見てきました。御母衣ダムも見たかったので、白川郷インターではなく、荘川インターで降りて国道156号線を御母衣湖沿いに北上しました。
 御母衣ダムは、1961年に庄川の最上流部に建設された、日本屈指の規模のロックフィルダムです。電源開発(J-POWER)が建設管理し、中部電力と関西電力に電力を供給しています。発電所近くには、MIBOROダムサイドパーク御母衣電力館・荘川桜記念館があり、御母衣ダム建設の歴史を学ぶことができました。
 ここで学んだことは、以下のとおりです。庄川は、急流で水量が多く水力発電を行うには理想的な川で、大正時代から電力開発が行われてきたこと。戦後、安定した電力供給は日本経済の発展のため喫緊の課題であり、早急な電力開発は国策になっていたこと。ダム建設に伴い、約1200人の住民が移転を余儀なくされ、反対運動、補償交渉が困難を極めたこと。電源開発の高碕達之助総裁が、湖底に沈む予定の樹齢400年以上の巨大な桜の木2本を、難工事の末、湖岸予定地に移植し、住民に対しては、「皆様の犠牲は国づくりに大きく役立っております。」という旨の挨拶をしたこと、等々。
 戦後復興期、高度経済成長期は、日本国としてやるべきことが明確で、明日に向かって進んでいこうという社会であったことを感じることができました。荘川、白川の皆さんは国策に従い、国づくりに貢献されたわけです。
 そして、今また、合掌造りの白川郷という外国人旅行客に人気の観光スポットを提供して、外貨獲得に貢献されています。素晴らしい。願わくば、村営駐車場の駐車料金(1000円)や飲食店の料金を値上げして、もっと儲けてくださいね
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治
著作権侵害されたら,どうしたらいい?
(侵害回復のための方法・その7)
 今回も引続き,自分が著作権侵害をされた場合には,どうしたらいい?特にインターネット上で侵害行為が行われている場合に,侵害をやめさせるために出来ることについてお伝えします。結局振り返ると,侵害行為を出来るだけ早くやめさせるためには,どうすべきだったのでしょうか?以前,刑事事件がなかなか進まないことを書きましたが,結果として著作権侵害行為をとめるのに,何より効果があったのは刑事告訴による捜査手続きの開始と刑事処罰だと感じました。刑事事件の捜査の進行により,捜索差押手続きが進んでいくことで,著作権侵害に関する記事についてはほぼ内容の変更,削除などがされました。
 改めて,警察の方々,検察官,裁判所には感謝しています。また,レンタルサーバー会社に対して著作権侵害をしているページについて,削除等の仮処分決定を得ること,直接の侵害行為をしたM氏本人を相手に削除請求の仮処分をしたことも,これらによって著作権侵害に関する記事の削除や写真の利用がほぼ停止されたので効果があったと思います。
 著作権侵害に対する民事上の損害賠償請求については,別途裁判をしておりますが,現在一審の判決が出たところで,控訴手続中であり,まだ時間がかかりそうです。
 振り返ってみると,インターネット上の著作権侵害行為をとめるために効果的なこととしては,刑事告訴をすることと,速やかな削除仮処分の申立かなと思っています。
 ただ,著作権侵害で刑事告訴し,捜査を進めてもらうには,その犯罪性が明確な場合でないと,なかなか難しいので,弁護士に相談しながら進めてもらえたらと思います。
 また,今回自分でやってみて思ったのは,やはり,思ったように進まないことが多いので,出来るだけ専門的に削除の仮処分などをやっている東京方面の弁護士(法律事務所)に依頼した方がいいと思います(多治見ききょう法律事務所では,一般的なお話は自分の案件を通じてできますが,この分野を専門的にやってはいないので,受任するのは適切でないと思っています)。他の被害回復の方法,証拠の取得方法など,また次回に続きます!
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会)
初めての筆界特定
 筆界特定制度については、この月刊CPSで何度も紹介してきました。また自身も講演会やセミナー等でひと通り勉強してきたつもりでしたが、今回初めて申請を行い、結果がでましたので紹介したいと思います。
 筆界特定とは、土地の境界が不明な時に、法務局が境界を決めてくれる制度です。従来は裁判所に境界確定訴訟というかたちで判決を貰って境界を決定してきましたが、あまりにも費用や時間のハードルが高すぎるため、訴訟の手前で解決する制度という訳です。
 今回の依頼内容は、お互いに主張する境界ラインが相違して、境界が決まらないため筆界特定申請に至りました。費用については、法務局に提出する意見書や測量調査に60万円程で、期間は約2年かかりました。境界の確定は勝った負けたで決まるものではありませんが、今回のケースでは依頼者側が主張する境界ラインが正しかったようです。
 筆界特定を終えて感じたことは、裁判所で行う境界確定訴訟と比べて依頼者の精神的負担が少ないのではないかと感じました。相手方との聞取り調査や立会いは、全て法務局の担当官が所有者ごとに別々で行いますので申請さえすれば、依頼者は何処にも出頭することなく、結果を待つだけとなります。また、法務局の人手不足なのか、もう少し時間をかけずに解決してほしいと思いました。測量範囲にもよりますが、せめて半年から1年以内に解決してくれれば需要が増えるのではないでしょうか。
土地家屋調査士 奥村忠士
子育て~受験生の娘とその親~
  先日娘が15歳のお誕生日を迎えました。皆さま、ありがとうございます。
中学3年生。自分の学力と志望校のレベルに乖離があり(100点くらい!)、その差を3カ月で埋めなくてはいけないというのに、(少なくとも私には)必死に勉強しているとも思えず、最近はとにかく娘に勉強をさせたくて、させたくて・・・
 どの教科をやるにも日常生活でも読解力は必要なので、中学生用の読解ドリル(同じもの)を2冊買い、毎朝2人で1題10分×1か月、読解ドリルを1冊解ききりました。今は中学2年生の英単語を毎朝2人でやっています。「人に勉強しろという以上私も」と、特段受けたいわけでもない試験を申し込み、我が家に机を2つ並べた勉強部屋を作りました。様々な工夫を凝らした結果・・・私が賢くなっている気がします(笑)
 私は娘のことをずっと、「考える力や結びつける力、知的好奇心があるから賢い子だ」と思っていました。「この子はやればできる」と。しかし最近、これまでやってこなかった分、勉強する基礎体力が育まれていないことを思い知りました。そして「どれだけ努力できるかも含めて本人の実力だ」と自分の考えを改めました。
 彼女の現状と目標の間に乖離がありすぎて、(私が!)日々不安に苛まされています。不安から逃れるには行動すればいいはずですが、今回の場合は主語が違うので不安から逃れることは難しいです。私は努力するのは得意な方だと思うので、「私が代わりに勉強できたらいいのに」と心底思います。しかし残念ながら、私が勉強しても娘の力にはなりません。
 「彼女の人生だから親の私は彼女を信じて待つだけ」・・・なんて、他の子の話だったら言えるのですけどね。今私にできることは、ご飯を作ることと課金することです。私の身長を超すほど大きくなっても、子育ての悩みは尽きないものですね。
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
岐阜県多治見市大日町86番地
CPS総合法務事務所
株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
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