2026年6月15日発行 第280号

昭和のオヤジ
  知り合いの女性高校教師から相談を受けました。授業中生徒たちになじられ、思わず「うるさい!」と言ったそうです。すると、校長に呼び出され「これは体罰にあたる。」と言われて落ち込んでいました。
 文部科学省の体罰の定義は「身体的な苦痛を与える行為」であり、「うるさい」という言葉自体は体罰ではないようです。しかし、精神的恐怖やショックを与えるような場合には、行き過ぎた指導ということで問題視されることがあるようです。
 昭和のオヤジである私にとって、理屈の上では理解できるが、何か納得できない世の中になっています。同世代のある友人は、キャバクラに通っています。そこは、何を言っても認めてもらえる、つかの間のディズニーランドだと言っています。
 家庭においても、学校においても、会社においても、相手に苦痛を与える行為は許されない時代になりました。愛情を持って叱っても、相手が苦痛を感じればアウトということで、いつも言葉を選ぶことになります。教える側の、愛情を持って叱ることができない苦痛は、どうして考慮されないのか疑問に思います。
 こうした状況では、教える側は、「受け取る力のある人」だけに教えを与えるようになると思います。表面上の平穏を守ることを優先して、目覚めていない人たちを置き去りにしていく社会になっているような気がしています。
 私は20代の頃、進学塾で高校生に英語や歴史を教えていました。また、二つの大学で経済学を教えたこともあります。さらに、私塾である「多治見元気大学」を設立して、若いビジネスパーソンに生きる知恵を伝えています。
 教育という仕事は実に楽しいことです。専門知識や情報を伝えることが講義の中心ですが、少し脱線して生きる知恵を伝える時がおもしろいのです。学生の魂にゆさぶりをかけ、「やるぞー」という向上のエネルギーに火をつけることができたら成功です。
 昭和のオヤジの根性論はもう伝わりません。歴史を知り、人間を知り、脳科学を応用して、何が問題なのかを自ら悟らせることが肝心なようです
CPS総合法務事務所 司法書士 加藤健治
弁護士の交渉術 9
 今回も「続!弁護士の交渉術」というテーマで,お話します。弁護士である私がさらに「交渉」について興味をもって読んだ本,世界中のベストセラーでもある「ハーバード流交渉術」「新ハーバード流交渉術」から「イエスを言わせる方法」「交渉のコツ」について実践できると感じたことをお伝えします!
 前回著者お勧めの「原則立脚型交渉」をご紹介しました。弁護士の場合,調停の場合ですと,やはり法律上どういう結論となりそうか,裁判になった場合の最終結果の予測を基準とすることが公平,と考えていて,よく交渉でも使っているかな,と思います。
 弁護士は,この「公平の基準」に良く用いられる「法律」や「裁判所の判断」については詳しいので,原則立脚型交渉での交渉で力を発揮できるかな,と思いました。
 では,今回は2つ目のポイント「相手の拒絶反応をなくす話し方」。引き続き,「ハーバード流交渉術」から。
 「交渉で,人はよく相手の動機や意図をくどくど非難する」と言っています。
 しかし,問題点を指摘するなら「相手が」どんな意図で何をしたかという指摘ではなく,「当方」は,問題をこういう風に感じたと表現した方が説得力がある,と言っています。
 具体的には,
×「あなたは約束を破った」
〇「私は失望しました」
×「あなたは人種差別主義者だ」
〇「私たちは,差別待遇を受けている感じがします」
というような感じ。
 相手に対し,「お前の信じていることは間違っている」と決めつければ,相手は怒り出すけれど,「自分」としては,こう感じている,と言えば,相手もそれは嘘だとは言えない・・そうすると,相手を怒らせて拒絶反応を招くことなく,同じこと(内容)を相手に伝えることが出来る・・また,次回に続きます
岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
多治見ききょう法律事務所 弁護士 木下貴子(岐阜県弁護士会)
老後の趣味
  私事ですが、今月で58歳になりました。地元の同級生との会話も最近では、病気の話か老後の心配と、昔のように夢を語り合うことがすっかり無くなりました。
 今回は老後の楽しみ方について考えました。昔読んだ本で、「国家の品格」を書いた数学者の藤原正彦先生の著書に「老後の趣味が続かないのには理由がある」と書かれていたことを思い出しました。なぜ続かないかというと、簡単に達成できる趣味はすぐに飽きてしまいます。逆に奥が深すぎる趣味は、基礎知識を身に付けるまでに時間がかかり、思い描くような幸福感にたどり着くまで何年も修行が必要になります。その結果、途中で挫折してしまうからだそうです。
 ですから、藤原先生は、定年を迎える5年位前から準備に入りなさいと仰ってみえました。例えば、英会話や、茶道、習字、俳句、ピアノや登山等、どんなことでも基礎知識を定年前に済ませておくことが重要とのことです。確かに体力も集中力も運動神経も若い時と違って衰えていますから、趣味の深さによってスタート前に入門的なことは終わらせておくと、自由になった時間を思う存分、楽しく使えるということですね。
 中には、仕事そのものが趣味という方もみえます。そんな方はいいですね、生涯働くことが楽しみですから。ちなみに私は、会社の借金を返さない限り、老後の趣味にたどり着けません。
最後に、老後の趣味が決められない方のために、村上春樹の小説の中にヒントがありますので紹介します。
 「この世界において、退屈でないものには人はすぐに飽きるし、飽きないものはだいたいにおいて退屈なものだ。そういうものなんだ。僕の人生には退屈する余裕はあっても、飽きているような余裕はない。たいていの人はそのふたつを区別することができない」(海辺のカフカ)より
土地家屋調査士 奥村忠士
娘のアルバイト
  長い高専の春休み、娘はアルバイトに挑戦しました。普段は富山で暮らしており、帰省期間中だけ働ける場所を探すのは難しかったのですが、「若いうちに飲食の経験はした方が良い」という私の持論もあり、知り合いのお店でお運びのアルバイトをさせていただくことになりました。
 「仕事とは成果を出すもの」、「役に立ってお金をいただく」。その当たり前を、娘が自分の手で実感できたのは、若い彼女にとって良い学びになったことでしょう。
 もともとよく気がつく子ではありますが、幼いころから私との二人暮らしで、これまでの世界はどうしても小さな範囲に限られていました。大人の男性も多く訪れるアルバイト先では、きっとこれまでにない刺激や学びがあったはずです。
 お店では老若男女さまざまなスタッフさんが働いており、娘は親以上の年代の方々にもよく可愛がっていただきました。実は娘がシフトに入っている日の半分くらいは、お迎えがてら私もそのお店で夕飯を食べていました(家庭単位で見ると、稼いでいるんだか、使っているんだかという状態ですが(笑))。カウンター越しに年配の料理人さんとお話ししていると、娘がどれほど温かく見守られているかがよくわかりました。スタッフさん同士がふと目を合わせたときの空気感や、すれ違いざまのやり取りからも、娘への優しさが伝わってきて、ありがたい限りでした。娘が富山に戻った後も、私が食事に行くと「娘さん、お元気ですか」と声をかけてくださいます。
 地域に根ざしたそのお店には、私の知り合いもよく来店します。私の娘が働いていると知ると、オジサマたちがお小遣いをくださり、娘は「1時間働いて○○円のつもりが、10秒で数千円もらって時給感覚がバグった」と笑っていました。結局のところ、勤労もさることながら「人との関係性」こそが一番の財産になるのだと知れたことも含め、よい勉強になったことと思います。
 良い経験をさせていただいたアルバイト先の皆さんに感謝です
エール行政書士事務所 行政書士 鈴木亜紀子

発行者
岐阜県多治見市滝呂町10丁目43番地の6
CPS総合法務事務所
株式会社CPS総研
東濃相続サポートセンター
TEL 0572-25-4102